日本茶にあうお茶菓子って何があるのだろうか?

お茶~煎茶~
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日本茶のブームが起きている今、やすらぎや憩いを求める一杯としての価値が見直されてきています。そんな中で日本茶をより楽しむためには「お茶菓子」は必須です。あなたは日本茶にあう「お茶菓子」にどんな種類があるか知っていますか?今回はそんな日本の「お茶菓子」をご紹介します。

まんじゅう

多種多様な形に発展した和菓子の代表格

小麦粉を練って作った(生地)で餡子を包み、蒸したお菓子で、鎌倉時代~室町時代に中国の僧侶からしたもの。初期のまんじゅうは今のような甘い餡入りではなく、酒種を使って膨らませる薬まんじゅうが主流でした。

バリエーションも多く、材料別と形状別でそれぞれ多種多様な種類があります。

【材料別】

栗まんじゅう・麩まんじゅう・酒まんじゅう・じょうよまんじゅう

【形状別】

田舎まんじゅう・織部まんじゅう・揚げまんじゅう・薄皮まんじゅう・利休まんじゅう

ようかん

小豆を主体とした餡を型に流し込み寒天で固めた和菓子です。

羊羹の羹は中国から伝わった天心(スープ)を指します。甘い羊羹が作られるようになったのは江戸時代以降、江戸時代に寒天が発見されてからです。寒天が見つかるまでは蒸し羊羹のみだったのが、練り羊羹が作られるようになり、甘いお菓子で繊細な味わいが人気になりました。羊羹には大きく分けて2つあり、もっちりとした触感が特徴に蒸し羊羹と、しっとり繊細な味わいが特徴の練り羊羹があります。

上生菓子(練り切り)

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白あんに砂糖、山芋やみじん粉(米粉)などのつなぎの食材を加え、調整し練った練り切りあん(白あん)を主原料とする生菓子です。

繊細で風流な細工を施し、贈答品に喜ばれる和菓子の花形で、はじまりは江戸時代。 季節を取り入れたモチーフは無限大で、職人のアイデアと技術を楽しめます

団子

穀物の粉を水や湯を加えて丸め、蒸したりゆでたりしたものです。

茶屋や屋台で親しまれてきた庶民派の和菓子で、もともとは串にさしてはおらず後の人々の工夫により生まれたものです。

バリエーションも豊富で、餡の種類や味付けでも様々な種類がある。

【餡の種類】

みたらしあん・ごまあん・ずんだあん

【味付けバリエーション】

醤油団子・みたらし団子・あん団子・花見団子・草団子

大福

小豆でできた餡を餅で包んだ和菓子の一種で、日本人にとって最もポピュラーな和菓子。

もともとは塩餡を入れた大きな餅で、とても大きくお腹いっぱいになるという意味からつけられた。明治9年に生活に困っていた女性が塩あんを甘い餡に変え、形を小さくして餅とあんの配合をにこだわって作ったものが現在親しまれている大福の元々の形。

【バリエーション】

いちご大福・塩大福・豆大福・栗大福

ぼた餅・おはぎ

もち米とうるち米を混ぜたものを、蒸すあるいは炊き、米粒が残る程度に軽くついて丸めたものに、餡をまぶしたお菓子です。

江戸時代にお彼岸に配る習慣が生まれた。

「ぼたん餅」「萩の花」などさまざまな呼び名を持つ身近な和菓子で、認知度も高いお菓子です。

カステラ

洋菓子のように見えて実は日本発祥のお菓子。

鶏卵を泡立てて小麦粉・水飴を混ぜ合わせた生地をオーブンで焼いた菓子の一つで、ポルトガルから伝わった南蛮菓子を元に日本で独自に発展した和菓子です。

明治以降になると、小麦粉と卵、砂糖に水あめやはちみつを加え、しっとりとした触感の菓子に改良しています。

名前の由来はスペインの前の国名「カステイラ」からきている。

落雁(らくがん)

米などから作ったでんぷん質の粉に水飴や砂糖を混ぜて着色し、型に押して固めて乾燥させた“打ちもの”と呼ばれる干菓子のことです。江戸時代には贈答品として浸透したが現在では、お供え物が中心となっています。

型により様々なバリエーションがあり、練り切りと同じくお店独自のバリエーションを楽しめる。

ういろう

米粉などの穀粉に砂糖と湯水を練り合わせ、型に注いで蒸篭(せいろ)で蒸して作ります。

もともとは中国が元の時代に伝来し、薬の名前として広まったものです。

もなか

餅から作った皮で餡を包んだ和菓子の一種です。

中秋の名月を意味する「最中の月」を呼び名の由来とする風流な和菓子で、江戸時代に菓子屋が売り出したのが始まりです。明治~大正時代になると人気が高まり多くの和菓子店で作られるようになりました。皮の形には店や地域のカラーがあり、ゴルフボール形やひょうたん形などさまざまな形があります。

飴(あめ)

飴がはじめて文献に登場するのは日本書紀です。

奈良時代~平安時代には供養料として文献に記載があり、お菓子としてではなく甘味料として用いられているようです。

飴の原料は砂糖や水飴などで、配合比率が決め手となっています。

彩り、形に風情を持たせて目で見て味で楽しめるのが特徴です。

せんべい

米粉や小麦粉などを練り、薄くのばし鉄板などで焼いたお菓子です。

多くは薄く丸い形状をしていて、奈良時代に唐菓子として日本に伝えられました。

現在の形になったのは平安時代初期で、庶民に広がったのは製法が確立した江戸時代からです。バリエーションとしては、大きく分けて小麦粉性・米粉製・でんぷん製の3つがあります。

どらやき

やや膨らんだ円盤状のカステラ風生地2枚に、小豆餡を挟み込んだ膨化食品和菓子です。ふんわりした生地であんを挟んだ、現在のようなどら焼きが作られるようになったのは明治以降で、それ以前はきんつばのような和菓子でした。現在では小豆の粒あんの他にこしあん、ずんだ、栗入り、生クリームなど様々なバリエーションもあり身近に楽しめます。

かりんとう

小麦粉を砂糖・水・イーストや食塩・重曹などと共に練り合わせて棒状に成形した生地を、植物油で揚げ、砂糖で作った蜜をからめて乾燥させた、和菓子の一種です。

かりんとうが人々に親しまれるようになるのは、江戸時代後期になってからです。

揚げないかりんとう以外にも焼いたかりんとうややわらかくしたかりんとうや形を変えたものがあります。

味噌松風(みそまつかぜ)

小麦粉、砂糖、水飴、卵(入れない事が多いが一部の菓子店は使用)を水で混ぜて作った生地に白味噌(赤味噌の場合もあり)を加えて発酵させてから焼くお菓子です。

この生地をカステラのようなスポンジ状の厚い仕上げるものと、八つ橋のような仕上げるものがあります。イメージとしてはもっちりとした独特の触感が特徴の味噌風味の和風ケーキです。京都が有名だが、各地方にも数々の松風が作られています。

きんつば

寒天を用いて粒あんを四角く固めたものの各面に小麦粉を水でゆるく溶いた生地を付けながら、熱した銅板上で一面ずつ焼いてつくるお菓子です。現在は四角い形が一般的ですが、刀の鍔の円形がもともとの形です。

スタンダードな粒あんの他、焼き芋のきんつばなどがあります。

金平糖(こんぺいとう)

砂糖と下味のついた水分を原料にした、表面に凹凸状の突起(角状)をもつ小球形の和菓子です。ポルトガル人宣教師によって伝えられ日本の菓子に変革を起こした南蛮菓子のひとつで、安土桃山時代から江戸時代初期にかけて伝わったもの。

製法は伝わっておらず、長崎の町人が二年余りの時間をかけて今の形になりました。いら粉という0.5mmほどのもち米を砕いたものが金平糖の核で、これを絶えず回転する大釜に入れじっくり熱を入れながら蜜をかけて、水分を飛ばしての作業を2週間かけてする。金平糖の特徴であるツノは釜の回転が必要で、核が釜の中を転がるときに、鉄板に触れた部分の蜜は乾いて固まる。その部分は他よりも蜜が付きやすいため、次の蜜がつく。この繰り返しでツノができます。

手作り金平糖は手間暇がかかっていて高級品となっています。

わらび餅

わらび粉と砂糖、水を練って作る生菓子です。

平安時代から涼味感じる生菓子として貴族たちから親しまれていました。

※わらび粉とは、わらびの根からとれるでんぷんを乾燥させて粉末状にしたもの。

 きな粉や黒蜜をかけて食べるのが一般的。

黄身しぐれ

卵の黄身の餡を使った饅頭、ほろほろと繊細な和風ケーキで、黄身あんとつなぎの上新粉などを混ぜた生地を蒸したお菓子です。

表面に亀裂ができているのが特徴で、明治時代~大正時代の比較的新しいお菓子です。

中のあんは、白餡のほかに小豆あんがあります。

甘納豆(あまなっとう)

豆類や栗、蓮の実、さつまの芋の輪切り(芋納豆と呼ばれる)などを砂糖漬けにした和菓子。江戸時代末期に金時ササゲを蜜煮したものが始まり。

金時ササゲの他、小豆・黒豆・青えんどう豆・サツマイモ・栗などのバリエーションがあります。

※金時ササゲとは、ササゲという植物の種子で特につるなしの種子を使用

あられ・おかき

もち米を原料とした菓子。なまこ餅などの餅を小さく加工し(欠き)、乾燥させたものを表面がきつね色になるまで炙った米菓子です。

様々な形や味わいが楽しめる気軽な和菓子で、子からお年寄りまで楽しめます。

海苔・ごめ・抹茶・ざらめ味などの味わいはさまざまで、棒型や丸型・花型など形も豊富です。

おこし

加工した穀物を飴で固めた和菓子の一種です。香ばしい穀物の味わいを存分に楽しめる和菓子として有名です。

おこしの原型は奈良時代から平安時代にかけて伝わった唐菓子で、江戸時代になるとうるち米の糒(ほしい)で作る関東風の雷おこし、蒸した米を乾燥させて作る関西風の栗おこしの2つの製法に分かれました。

すはま

大豆、青豆を煎って挽いた州浜粉に砂糖と水飴を加えて練りあわせて作る和菓子の一種。 鎌倉時代から作られている。大豆粉製のすはまと餅粉製のすあまがある

鹿の子餅

鹿の子は3から4層の構造になる。まず餅、求肥、羊羹のうちどれかを芯とし、そのまわりに餡をつけて、できた餡玉に鹿の子豆と呼ばれる形の整った豆の蜜漬けを外側に隙間なくつけて完成する。

バリエーションとして、小豆のほか・白いんげん豆・うずら豆・栗などさまざまな種類があります。

人形焼き

カステラにあんこなどを入れて焼いた和菓子です。

中の餡子はこしあん・粒あん・抹茶あんなど様々なバリエーションがあり、形の種類・味ともに楽しめるお菓子となっています。

たい焼き

鯛を形とった金属製焼き型で焼いて作られた食べ物で、餡(あん)入りで小麦粉主体の和菓子です。

今川焼きから派生した全国でみられるポピュラーな菓子で、昔ながらの焼き方の「一丁焼き」というものがあり、一匹ずつ焼き上げる作り方をするものもあります。

この作られ方したものを「天然物」といい、複数を一度に焼いたたい焼きとは味わいが違うそうです。

今川焼き

主に小麦粉からなる生地に餡を入れ、金属製焼き型で焼成した和菓子です。

江戸時代に広まったお菓子で、現代のものだと粒あんの他、白あん・カスタードクリームなどを入れたものがあります。

五家宝(ごかぼう)

おこし種を水飴などで固め、棒状にした芯をきな粉に水あめなどを混ぜた皮で巻き付け、さらにきな粉を表面にまぶしたものです。

桃山

半生菓子に属する焼き菓子で、白餡に砂糖、卵黄、少量のみじん粉(米粉)または葛粉を練り合わせたものを型に入れて抜き、天火などで焼いて作るものです。

江戸時代に作られたと考えられている。伏見城の瓦の模様を形どったことから桃山と呼ばれるようになったそうです。

六方焼き

中に餡が入った直方体形の焼き菓子で、餡のまわりに小麦粉と卵で作った生地を付け、焼いたまんじゅうです。

求肥(ぎゅうひ)

もともと求肥は和菓子の材料のひとつで、白玉粉または餅粉に砂糖や水飴を加えて練りあげたものです。

中国の食べ物に由来し、餅のようにかたくならないのが特徴のお菓子です。

石衣(いしごろも)

小豆のこし餡に水飴を加えて練り、丸めて団子状に固め、白砂糖のすり蜜を掛けて白い衣で包んだ和菓子です。

ここまで29種類のお菓子を紹介しました。日本各地特有のお菓子をいれるとさらに多くの種類があります。他の和菓子についてはべつでご紹介しますので、ぜひご覧ください。

日本人に生まれ日本のお菓子を知らないのはもったいないことですので、ぜひ機会があればご賞味ください。

ちなみに私はケーキなどの洋菓子よりも練り切りの和菓子が大好きです。

みなさんも自分の一番好きな和菓子を見つけてみてください!

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