日本茶を煎茶で飲む時、みなさんはどんな香りがしますか?
さっぱりとした新芽香り、深く渋い新緑のかおりなど人により様々な香りを感じると思います。
そんな日本茶特有の香りを成分から紐解いていきます。
最後まで読んでいただければ、お茶特有の香りの正体がきっとつかめるでしょう。
そもそも人が香りを感じるのはなぜ?
そもそもお茶に限らず香りを感じるというのはどういう仕組みなのでしょうか?
詳しく見ていきましょう!!
まず鼻からにおい物質が入ると、におい物質は鼻腔最上部の嗅上皮と呼ばれる特別な粘膜に溶け込み感知されます。すると、嗅上皮にある嗅細胞が電気信号を発生、電気信号が嗅神経、嗅球、脳(大脳辺縁系)へと伝達し、におい感覚が起きるといわれています。
嗅上皮の粘膜層に広がっている嗅毛には、においをキャッチする嗅覚受容体(においセンサー)があります。一つのにおい分子に対していくつかの嗅覚受容体が、鍵と鍵穴が合うように反応しにおいを検知します。また、においの濃度が変わると反応する嗅覚受容体の組み合わせが変わり、違うにおいとして感じられます。
日本茶の香りの素
日本茶には300種類以上の香り成分が含まれています。そのすべてが解明されているわけではありませんが、今回はそのなかでも代表的な成分をご紹介します。
主な化合物一覧
日本茶特有の香り成分
青葉アルコール
青葉アルコールの香りは、木の葉や草の葉をちぎったときに感じる植物特有の青臭い香りのことです。芝を刈った後や、草刈りの後などによく感じるかと思いますが、気持ちをおだやかにするリラックス効果があり、疲労回復や集中力アップにも効果があります。青葉アルコールの匂いを嗅ぐと、単純作業を続けた場合でも作業効率が落ちにくくなるそうです。
リナロール
「リナロール」はフルーティーですずらんの花のような香りがする成分です。アロマオイルの世界ではリラックスの代名詞「イランイラン」「ネロリ」「ラベンダー」などにも含まれます。やさしく感じる花のような香りは癒やしをもたらす効果があり、集中力アップになったり、鎮静、血圧降下、抗不安作用があります。
ゲラニオール
「ゲラニオール」はバラのような香りで、ローズオイルの主成分となっており、抗菌、抗不安、皮膚弾力回復などの働きがあります。また、女性ホルモンの分泌に関わりの深い物質で、女性ホルモンの一種であるエストロゲンの分泌を助けます。
ピラジン類
ピラジン類は火香(ひか)とも呼ばれており、お茶の葉に火を入れて乾燥させる際に発生する香ばしい香りのことをいいます。 同じお茶の葉でも、火入れの仕方や程度によって香ばしさも異なります。 弱い火入れで仕上げると茶葉の青い香りが強くなり、火入れを強めるとピラジン類が多くなって香ばしいお茶になります。
覆い香りとは?
覆い香とは玉露に多く含まれている香りで、良質な青海苔のような深みのある香りがします。
この香りは茶葉の成長途中で覆いをかけて栽培することで生まれるものです。
さいごに
今回ご紹介した成分はお茶に含まれる300種類以上あるなかのほんの一部です。
この成分が様々に組み合わさって爽やかで奥深い香りが生まれます。
茶葉の製法や生産地で香りも変わりますので、今後ご紹介していきますのでお楽しみしていてください!
また当サイトでは日本高級煎茶の紹介をしていますので、どうぞこちらもご覧ください。
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