煎茶を飲んでいると、二煎目をどうするかで毎回すこし迷います。急須に茶葉が残っているのだからもう一杯淹れればいいようなものですが、二煎目は薄くてまずい、という話もよく聞きますし、わたし自身そう感じたことがありました。そのわりに、では何煎目まで飲めるのかと聞かれると、はっきりした答えを持っていませんでした。
そこで、同じ茶葉で三煎つづけて淹れて、一杯ずつ飲んでみました。先に結論を書いておくと、いちばんおいしかったのは二煎目で、三煎目はもう飲まなくてよかったと思っています。
淹れた条件
使ったのは、JA高知県の「土佐の緑茶」ゴールドラベルです。オランダのスーパーの緑茶売り場の記事で家で淹れたのと同じお茶です。この日の茶葉は、開封してからちょうど一週間たったものでした。
茶葉は五グラム、お湯は百ミリリットル、浸出時間は二分。これを三煎とも同じにしています。お湯は沸かしてからすこし冷ましたものを使いましたが、温度計では測っていないので、何度だったかは分かりません。そのかわり、三煎とも同じくらいの温度になるようにしました。
ほんとうは、二煎目は一煎目より短く淹れるのが普通のやり方だと思います。茶葉がすでに開いているので、同じ時間だけ置くと出すぎることがあるからです。今回あえて時間をそろえたのは、時間と煎数の両方を動かしてしまうと、味が変わったときにどちらのせいなのか分からなくなるからでした。ふだん飲むときは、短くするほうが理にかなっていると思います。ふだんの淹れ方は高級煎茶を最大限に堪能できる淹れ方にまとめてあります。
一煎目

淡い黄緑色で、濁りはありません。味はこの茶葉のいつもどおりで、開封から一週間たっていましたが、香りも渋みも、開けた日と変わったようには感じませんでした。
ここでいう水色(すいしょく)は、湯呑に注いだお茶の液そのものの色のことです。茶葉の色ではありません。こうしたお茶の言葉は日本茶の用語辞典にまとめてあります。
二煎目で、予想と逆のことが起きました

まず色が、一煎目より濃くなりました。写真でも分かると思いますが、黄色みが強くなって、透明感がすこし落ちています。中央に細かい緑の粒が見えるのは、茶葉の粉が出てきたものだと思います。
それなのに、味のほうは渋みもコクも抑えられていて、そのかわり甘みを一煎目より感じました。色が濃くなったのだから味も濃いだろうと思って口に運んだので、逆のことが起きたのが意外でした。
なぜそうなるのかは分かりません。渋みのもとになる成分が一煎目で多く出てしまって、残ったものが相対的に立ったのかもしれませんし、色が濃く見えたのは溶け出した量ではなく、浮いている粉のせいだったのかもしれません。どちらも確かめていないので、推測として書いておきます。
煎茶を60度・70度・80度で淹れ分けた記事でも、条件を変えていちばん動いたのは渋みでした。
三煎目は、お湯に近づいていきました

三枚は別々に撮っているので、この写真だけで色の濃さを厳密に比べることはできません。二煎目が濃いことは見てのとおりですが、一煎目と三煎目の差は、実際に目で見たときのほうがはっきりしていました。
三煎目は、三つのなかでいちばん色が薄くなりました。味も薄く、おいしくありません。ここまで来るとお茶というよりお湯に近い感じで、二杯目までが限界だと思いました。
二煎目では色と味が逆に動いたのに、三煎目では色も味もそろって薄くなっています。色の濃さと味の濃さは、いつも同じように動くわけではないようです。
三煎淹れて分かったこと
二煎目はまずいどころか、一煎目よりおいしく感じることがある。これが今回いちばんの発見でした。そして三煎目は、無理をして飲むものではない。急須の茶葉がもったいない気もしますが、おいしくないものを飲んでも仕方がないので、二杯でやめておくのがよさそうです。
二煎目を飲まずに捨ててしまっている方がいたら、一度そのまま淹れてみてほしいと思います。短く淹れるのが作法ですが、今回のように同じ時間で淹れても、渋くなりすぎることはありませんでした。茶葉によって出かたは違うと思うので、お手元のお茶で試してみるのがいちばんだと思います。



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